オーバーホールページ
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不具合の症状にも色々とあります。落としたりぶつけたりすることでガラスが割れたり、リューズや部品などが脱落してしまったり。また、文字盤の塗料劣化や夜光塗料の劣化脱落、バンドのネジが外れてバラバラになったりと様々です。ここでは、そのほんの一例をご紹介します。
写真はクリックすると拡大図の解説が見られます。
 

目次
1、ネジのトラブル
2、リューズ、プッシュボタン
3、文字盤
4、ブレスレット(バンド)
5、ガラス


時計が動いたり止まったりを繰り返す時の原因の多くはネジの緩み、脱落です。腕時計はその使用環境によって様々な使われ方をしますので、時には激しい振動などを受けることがあります。この振動などによって徐々にネジが緩み、最後には脱落してしまいます。時計内部でネジが動き回って歯車などに挟まりますと動かなくなります。また何かの弾みでネジが外れると今度は何事もなく動くことがあります。緩みだけでなくネジ頭が衝撃で折れてしまうことなどもあります。バイク乗りの方は特にこのようなトラブルに見舞われることがありますので定期的なオーバーホールメンテナンスでしっかりとチェックしましょう。

リューズや操作プッシュボタンには内部にパッキンが封入されています。これらのパッキンは操作などによって劣化しやすい環境にさらされています。時には砂埃や水などの攻撃を受けますので潤滑油には過酷な環境です。このような環境のもとではいくら強力な潤滑油といえども3年もするとほぼ潤滑効果はなくなってしまいます。そうなりますとゴム質のパッキンは摩耗や劣化(硬化)が進行してきますので徐々にスムースな動きが阻害されたり、防水機能が損なわれたりします。リューズの操作が重かったり、プッシュボタンの戻りが悪くなっている場合には劣化した油や汚れを落とし、良質な潤滑油を塗布しなければなりません。オーバーホール作業では、リューズ内部の洗浄や、プッシュボタン内部への注油を行います。

文字盤のトラブルというのはあまりありませんが、なかには数字インデックスが外れてしまったり文字盤固定用の脚が折れて文字盤が動いてしまったりすることがあります。殆どのケースでは落下などの衝撃によることが原因です。インデックスなどは付け直し出来ますが、文字盤の脚が折れると修復できる確率は少なくなります。これ以外に文字盤に関する重要な視点があります。それは時計内部への湿気、水分の浸入の有無を確認できることです。皆さんの時計の針は曇ったりしていませんか?蛍光塗料が変色していないでしょうか、また夜光塗料が変色していないでしょうか?これらはその殆どが水分による影響です。防水テストで問題がなくても水分が時計内部に入ることがあります。このような場合、潤滑油の劣化なども進行しますのでメンテナンスが必要になります。文字盤を良く見てチェックしてみてください。
ブレスレットのトラブルで多いのはバックルのストッパー脱落や、ピンの脱落です。どちらも時計の落下原因となりますので注意が必要です。写真はオメガのバックルスライド部分ですが、ストッパーが脱落することが良くあります。このストッパーはネジになっていて緩み止め薬剤が塗布されていますが、それでも長年の使用で緩みが出ます。1年365日、3年で1,000回を超える衝撃がストッパーに加わりますので緩んでしまうこともあるのです。またブレスレットのピンなども摩耗すると抜けやすくなってきます。水に頻繁に付けると内部にサビが出てしまい連結部の動きが悪くなったりもします。出来れば水洗いはせずにお古の歯ブラシなどで汚れを取って乾いた布で拭いていただくのが良いです。
時計の文字盤を守る風防には色々と種類があります。最近のものはサファイヤガラスが多く用いられますが、ミネラルガラスやプラスチック風防もあります。サファイヤガラスは非常に硬く簡単にはキズついたりしませんがコンクリートに打ち付けたり硬いものに擦ると傷になります。サファイヤガラスは衝撃で粉々に砕けますので、不幸にもガラスが割れてしまった場合には、その破片で時計の機械を損傷させないためにもリューズを引いて停止状態にして修理に出しましょう。針は絶対にまわしてはいけません、文字盤がキズになったり破片が歯車を壊すことがある為です。ガラスとは対象的に、オメガスピードマスターの手巻きクロノグラフに代表されるプラスチック風防は傷つきやすいですが、磨きが出来ますので綺麗に傷消し出来ます。